捜索・押収|電磁的記録の取得・保全|記録命令付差押え

『刑事訴訟法』 酒卷 匡著・2024年9月20日 | ISBN978-4-641-13968-8
捜査機関は、裁判官の発する状により、電磁的記録を保管する者、その他 電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、または印刷させた上、当該記録媒体を差し押えることができる。この強制処分を「記録命令付差押え」という(法 99条の2・218条1項)。 記録命令付差押え処分の実質的な取得対象となるのは証拠として必要な電磁的記録(データ)であるから、状には、記録させまたは印刷させるべき電磁的記録、及びこれを記録させまたは印刷させるべき者を記載しなければならない(法219条1項)。他方で、通常の差押えのように個別の記録媒体自体(電子計算機等)を特定して記載する必要はない。例えば、「〇年〇月〇日から同月✕日までの間にメールアドレスロロロロロによって送受された電子メールの通 倉履歴(送受信の日時・送信・送信先のメールアドレス)」のような記載となる。 新設されたこの処分は、サービスプロバイダ等捜査協力が見込まれる電磁的記録の保管者等に対して、捜査目的達成に必要な範囲で、電磁的記録をディスク等の記録媒体に記録させた上、これを取得することで、大容量の記録媒体自体の差押えを避け、また。複数の記録媒体に分散して保管され利用されているデータについて、協力的な保管者等にこれらを一つの記録にまとめて記録させた上で、これを取得することができるようにしたものである。対象者の協力が期待できない場合には、通常の記録媒体の差押え処分によることとなる。これについても、次に説明するとおり、電磁的記録の特性に即した処分の執行方法に関する規定が新設されている。 なお、記録命令付差押えは、協力的な対象者を想定しているので、逮捕の現場における無状の強制処分を認める規定には掲げられていない(法 220条1項2号参照)。故に無状で記録命令付差押えをすることはできない。

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